Mockito-Flexを利用してFlexのTDD/BDD環境を構築する(その1)
Posted by hikaruworld : 2011 2月 14
FlexでもユニットテストやMockライブラリが充実し、ずいぶんテストがしやすくなっています。
そこで、FlexでTDD/BDD環境の構築をしてみます。
なお、環境は以下のように構築しています
IDE | FlashBuilderBurittoPreview |
---|---|
TestingFramework | FlexUnit4 / Hamcrest-as / Mockito-Flex |
Mockito-FlexはMock処理を簡単に行うためのフレームワークです。
内部的な実装はASMockに依存していますが、Mockitoを利用することで
ASMockのRecord->Replayの処理を省いて簡単にMockが作れるようになります(なるはず…)。
ライブラリの入手
必要な物を一通りダウンロードしてlibs以下においてパスを通します。
mockito-flex
今回の話題となるMockito-Flexです。
ここから現在の最新版1.4M5をダウンロードします。
FlexUnit4
FlashBuilder4にもFlexUnit4は同梱されているのですが、
ちょっと古いらしくRuleの実装がはいっていないバージョンです。
mockito-flexを利用する際、[Rule]があると楽できるため、ここから最新を落としておきます。
ちなみにバージョンは、FlexUnit4.1RC2でした。
Hamcrest-AS3
どうせなのでHamcrestのバージョンも最新にしておきましょう。
Hamcrest-as3はgitHubのここにあります。現時点での最新のバージョンは1.1.3になります。
テストうんぬん前にまずやるべき事
mockitoは最新版はAPIドキュメントなどもないので、ソースをダウンロードしておきます。
ソースはswcに紐つけておきましょう。
(Referenced Libraries -> mockito.XXX.swc -> 右クリックしてプロパティ -> ソース添付 -> 編集)
あと忘れずに、ASDocを作っておきます(以下はコマンドラインから)。
$ pwd mockito-flex/mockito/src $ asdoc -source-path ./main/flex/ -doc-sources ./main/flex/ -library-path ../libs/
まだドキュメントが十分そろっていないようですし、分からなくなったらASDocとソースを見るのが解決に一番の近道です。
テストのやりかた
さて、本題です。
ここにmockitoをFlexUnit4で動かすやり方が書いてありますので手順に従ってやっていきます。
基本的なやり方
mockitoをFlexUnit4上で利用するには3つの方法があるようです。
方法1:従来のケース
従来の方法?では、テストクラスへの[RunWith]を利用してmock化を行います。
/** * クラス宣言時にFlexUnit4の[RunWith]を利用してMockitoClassRunnerを指定 */ [RunWith("org.mockito.integrations.flexunit4.MockitoClassRunner")] public class MainTest { /** Mock化対象のクラスを定義 */ [Mock(type="com.wordpress.prepro.Main")] public var target:Main; // Testコード... }
方法2:新しい方法(インスタンス化の制御を自信で行わない)
この方法を利用した場合、[Rule]の機能を利用してMockのインスタンス化が制御されます。
そのため、MockitoRuleを[Rule]メタタグを付けて初期化しておく必要があります。
ただし、インスタンス化の制御を[Rule]に依存するため、RunWithの設定を必要としません。
なお前述しましたが、Ruleは現在FBに同梱されているFlexUnitには含まれていません。
ライブラリの部分の手順に従って、事前に最新版に置き換えておく必要があります。
/** [RunWith]は不要 */ public class MainTest { /** * [Rule]でMockitoRuleをインスタンス化 */ [Rule] public var mockitoRule:IMethodRule = new MockitoRule(); /** * Mock化対象クラスの宣言 * 必ず***public***である必要がある。 */ [Mock(type="com.wordpress.prepro.Main")] public var mockie:Main; // Testコード... }
なお、Mock化したいクラスにコンストラクタ引数が存在する場合は、以下のように設定します。
こうする事で、Mainクラスに引数1がコンストラクタ引数として渡されます。
/** * typeでMock化したいクラスを指定 * argsListでコンストラクタに渡す値をもつフィールドを指定します */ [Mock(type="com.wordpress.prepro.Main", argsList="args")] public var target:Main; /** * Mock化するクラスに渡す引数を配列形式で定義します。 */ public var args:Array = [1];
※ただし、この方法はドキュメント上には見つかりませんでした。
テストコードで見つけたので、今後どうなるかは不明です。
方法3:新しい方法2(インスタンス化の制御を自力で制御する)
方法2ではテスト実行時にmockオブジェクトが初期化※0されますが、
この方法を用いるとmock()メソッドを利用してmockオブジェクトのインスタンス化を制御します。
/** * Mock化対象クラスの宣言 */ [Mock(type="com.wordpress.prepro.Main")] public class MainTest { /** * [Rule]でMockitoRuleをインスタンス化 */ [Rule] public var mockitoRule:IMethodRule = new MockitoRule(); public var target:Main; // テストコード [Test] public function test():void { // mock()でmock化 this.target = mock(Main); } }
この方法のメリットは好きなときにmock化を制御できること、
また、その際にコンストラクタ引数を任意に指定できる事だと思います。
/** * Constructs mock object * @param clazz a class of the mock object * @param name a name used in various output * @param constructorArgs constructor arguments required to create mock instance * @return a mocked object */ function mock(clazz:Class, name:String=null, constructorArgs:Array=null):*;
とあるように、第一引数にMock化したいクラス名、第二引数にエイリアス?、
第三引数にコンストラクタ引数を指定する事が出来ます。
方法2のフィールド指定によるMock化では、コンストラクタ引数をプロパティとして、
定義しておく必要がありますが、方法3では、テストメソッド内でMockを組み立てながら、
引数を考える事が出来ます。
なお、不適切な引数の状態でMock化を指定した場合、
初期化時に以下のエラーが発生してしまいます。
ArgumentError: Incorrect number of constructor arguments supplied.
※0具体的には[Test]の実行時単位で初期化されます。
設定を間違った場合(タイポや、privateフィールドにしていたetc)などはmockオブジェクトの初期化に失敗するため、
nullアクセスのエラーが以下のようにメッセージ出力されます。
今のFlashBuilderだとカスタムメタデータまでは補完してくれないので、タイポに気をつけましょう….
TypeError: Error #1009: Cannot access a property or method of a null object reference.
何だか長くなってしまったので次に続きます。
次は、実際にmockやverifyを利用して[Test]を実行していきます。
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